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泉美木蘭
2023.6.3 12:15

情報の洪水に溺れた人たち…

仕事の息抜きにネットの陰謀論の本を読んでいたら、
ビル・ゲイツと岸田首相が握手している1枚の写真を、

「ゲイツが岸田を訪問し、コロナワクチン政策について
指示をしている(であろう)報道写真」
と勝手に想像したことを堂々と書いていたり、
「投資家のジョージ・ソロスはウクライナの実質的な国王」
とか意味不明なことが書いてあったりして、
エネルギーを吸い取られそうになった。

ダボス会議では人口削減計画について話し合われているとか
平気で発信してる人がいるけど、
ダボス会議って、秘密結社でもなんでもないですよ。
毎年スイスでやってる世界経済フォーラムの会議やろ?
私がビジネス書の執筆の仕事でこの数年ずっと取材している
30代の経営者は、ダボス会議で選出された経歴もある人だけど、
イルミナティでもDSでもない、浅草生まれの人間味ある庶民の
感覚を持った人ですよ。

「自分は正しい」
「自分には科学的判断ができる」
という思い込みが高じ、
玉石混交の情報の洪水に溺れて自分自身を見失う。
地に足のつかない状態のまま、
同じように溺れた人たちが、
SNSのアルゴリズムによって機械的に1つに集められ、
それぞれが「仲間がいる。やっぱり自分は正しかった」と
勝手に確信を深めていく。
まるで自分は、地球最後の日を戦うわずかな人類であるかの
ような勘違いがあるんだろう。
そして、普通なら
「そんなこと、そんな場で話し合うわけないでしょ!」
と一蹴して終わるはずの超簡単なことさえ判断がつかなくなる。

あかんで。
ぜんぜん、あかん。

.
相方が深夜3時から出社して仕事しはじめるので、
引っ張られてものすごく朝型になり、22時を過ぎると
上下のまぶたがくっついて、なにも見えなくなってしまった。
だから、メールもLINEも夜はあまり返信できません…。
朝食の時間に帰ってきて、
「国税局だ!」とか「FBIだ!」とか名乗りを上げながら
部屋に踏み込んでくるので、
いちいち両手を挙げて降参しなければならず、大変。

 

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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